映画『ボヘミアン・ラプソディ』は、世界的ロックバンド・クイーンのボーカルであるフレディ・マーキュリーの生き方を描き、アカデミー賞4冠に輝きました。映画の中でフレディの父親はフレディに対し「お前は、善き思い、善き言葉、善き行い」を実践しているかと、問いかけます。これに対しフレディは「善いことをして何か変わったかい」と返し、伝統的な習慣に固執する父親に批判的な態度を示します。フレディの父親が語る「善き思い、善き言葉、善き行い」は、ゾロアスター教の信者が生涯を通じて求められる〝三徳〟と呼ばれる実践です。ところで、ゾロアスター教に限らず、キリスト教もイスラム教も世界の宗教は善き行いを説きます。仏教でも「もろもろの悪を為さず、善きことを行い、己の心を清めること これが諸仏の教えである」(七仏通戒偈)と説いています。では何故、善き行いが大切なのでしょう?とNHKのチコちゃんに聞かれたら皆さんはどうこたえますか?昔のおばあちゃんなら「そりゃ、悪いことをすれば地獄に落ちるからだべ」とこたえたでしょう。お釈迦さまは「人は行いによって賤しい人ともなり、行いによって尊い人にもなる」とこたえています。自分というものは行いによって成り立つものだといっているのです。また、お釈迦さまは「他人の過失を見るなかれ、他人のしたことと、しなかったことを見るな。ただ自分のしたことと、しなかったことだけを見よ」と説き、行いから自分を見つめることの大切さを説いています。
映画『ボヘミアン・ラプソディ』ではラストに向けて、父親がフレディの生き方を理解し、お互いを認め合うシーンが描かれています。
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