境内案内

本堂

元和2年(1616)に教識和尚が入山して宝性院第一世となり、杉戸宿本陣の庇護を受けてご本尊・大日如来をおまつりした本堂が建立されました。関東大震災で大破された本堂は昭和9年(1934)に再建され、平成17年(2005)に大改修が行われ、堂内に十三仏が安置されました。

大日如来坐像

ご本尊は胎蔵の大日如来です。真言密教の中心の仏さまであり、いのちの根源である大日如来はすべての世界を普く照らす仏さまとして金色に輝き、両手を重ねる法界定印は森羅万象すべてを包み込む慈悲の心をあらわしています。

十三仏

「三世にわたりみ仏は 数限りなくおわすれど 十三仏こそありがたや みなを唱えて拝まん」と詠われ、亡き人と私たちに大きな力を与え、仏さまの世界へと導いてくださるのが十三仏です。
本堂内には十三仏(不動明王、釈迦如来、文殊菩薩、普賢菩薩、地蔵菩薩、弥勒菩薩、薬師如来、観音菩薩、勢至菩薩、阿弥陀如来、阿閦如来、大日如来、虚空蔵菩薩)が安置されています。

不動堂

不動堂には安産不動明王をはじめ、江戸時代に勧請された成田山新勝寺の不動明王(千葉県成田市)と諸法山菅谷寺の不動明王(新潟県新発田市)の三体の不動明王がおまつりされています。嘉永二年(1849)に再建された不動堂は建物全体に彫刻がほどこされ、十六体の獅子のうち一体の獅子だけが毬を持つ、珍しい彫刻がみられます。また、武田信玄の子孫で徳川幕府の高家職を務めた武田信之の揮毫による「不動」の扁額があります。

安産不動明王

室町時代、作者不明。不動堂内正面におまつりされているのが、安産、子宝、子育てにご利益をもたらす一色家ゆかりのお不動さまです。脇尊に四大明王(降三世明王、軍荼利明王、大威徳明王、金剛夜叉明王)を従え、五大明王としておまつりされています。五大明王に祈ると子孫繁栄し、息災安穏を得ることから子宝、安産や子どもの成長を願う人の信仰をあつめてきました。

特別ご開帳

安産不動明王は毎年2月28日と2月3日の節分の日、そして正月元旦から6日の特別護摩祈願の日にご開帳されます。

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成田山不動明王

江戸時代、仏師岩国光雲作。不動堂内向かって右側におまつりされているのが成田山新勝寺のお不動さまです。弘法大師・空海が敬刻開眼され、開運厄除、商売繁盛に絶大な信仰をあつめてきました。宝性院では江戸時代の安政4年(1857)に成田山のお不動さまのご分霊をお招きし、おまつりしています。

菅谷不動明王

江戸時代、仏師岩国光雲作。不動堂内向かって左側におまつりされているのが、諸法山菅谷寺のお不動さまです。伝教大師・最澄が請来し、縁あって新潟県新発田の地におまつりされ、病気封じのお不動さまとして信仰をあつめてきました。宝性院では江戸時代の安政7年(1860)に菅谷のお不動さまのご分霊をお招きし、おまつりしています。

観音堂

観音堂は冠婚葬祭などの仏事を行う場として、檀信徒をはじめ地域の人々との交流の場として、寺院が有するソーシャルキャピタルとしての機能を拡大していくために平成29年(2017)11月に建立されました。堂内には十一面観音菩薩がおまつりされ、屋根の四隅から延びる12メートルの梁が樹木のような、後光が射しているような荘厳な空間をつくり出しています。また、バリアフリーの構造で車椅子や靴を履いたままでお参りすることができます。

十一面観音菩薩

仏師朝倉二美作。十一面観音菩薩はその名前の通りお顔が十一面あります。頭上の前の三面が菩薩の寂静相でおだやかなお顔、左の三面が怒りの忿怒相で怒った顔、右の三面が牙をむき出す相で励ます顔、後ろの一面が笑怒相で大笑いをする顔、それに大きな本面の慈悲深い顔を合わせて十一面です。十一面はあらゆる方向に向けて、苦しむ人を救うことをあらわしています。
十一面観音菩薩を拝むものは、亡くなる時に仏さまがお迎えに来てくれる、例え生まれ変わったとしても地獄、餓鬼、畜生のような悪い世界に堕ちないといわれ、人から攻撃をうけず、水難、火難を防ぐなどのご利益があるといわれています。
十一面観音菩薩は仏師朝倉二美さんが一年半かけて、楠の一木から彫り出していただきました。

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鐘楼堂と大欅

鐘楼堂は平成4年(1992)に檀徒の寄進により再建されました。梵鐘は太平洋戦争中に供出されたため、昭和28年(1953)に第十二世真祐和尚が世界平和を願い「一打鐘声萬民和楽」と記して鋳造されました。毎年、大晦日には除夜の鐘が行われます。鐘楼堂のすぐ脇には樹齢約350年の大欅があります。

山門

山門は明和5年(1768)に諦宥和尚の代に建立され、通称赤門と呼ばれています。

馬頭観音

馬頭観音は文化7年(1810)年に日光道中の道しるべとして、また道中安全と馬の健康を願って建てられました。頭上に馬の頭をいだく馬頭観音は天馬のごとく縦横無尽に駆け巡り、煩悩を食べて障害を乗り越えるといわれています。

毘沙門天

「日光街道すぎと七福神」として、杉戸町内の七ヶ寺に安置されている七福神。当山は毘沙門天をおまつりしています。毘沙門天は仏教とそれを信じる人々を守る四天王の一人で、勇猛果敢ないでたちは魔を除き勇気を与え、財宝をわけてくれることから勝利の神さまともいわれています。

吉祥 老松

当山の開山時より平成29年まで、四百年あまり皆を見守り続けてきた老松、拝顔すれば長寿となる松です。この老松を用いて腕輪念珠をつくりました。念珠は十一面観音菩薩の梵字を刻み、健康長寿と開運吉祥を祈念いたしました。